屋久島原産ボタンボウフウの血管拡張作用

血管には、酸素や栄養素など必要なものを身体のすみずみまで運び、二酸化炭素や老廃物など不要なものを運び出す役割があります。健康な血管は弾力性に富み、柔軟に拡張することでスムーズな血流を維持しています。ところが、生活習慣病や加齢、喫煙、ストレスなどが原因で血管の機能が損なわれると、血液の流れが悪くなり、冷え性、むくみなどのトラブルが生じたり、さらには高血圧や動脈硬化につながることが知られています。

この血管の機能に重要な役割を担っているのが血管内皮細胞です。血管の一番内側(内膜)にある内皮細胞は、一酸化窒素(NO)を放出して中膜にある平滑筋細胞の収縮を緩め、血管を拡張させる機能を持っています。内皮細胞から放出されるNOは、白血球の血管壁への接着を抑制したり、血小板の凝集を抑制して血栓形成を阻害することで動脈硬化の予防にも役立っています。すなわち、内皮細胞の機能を助けて過剰に収縮した血管を拡げ、血液の流れを改善する成分は多くの疾患の予防や治療に有効であると考えられます。

屋久島原産ボタンボウフウの血管拡張作用

屋久島原産ボタンボウフウの血管拡張作用を摘出血管を用いて評価しました。あらかじめ収縮させたラットの動脈標本に、ボタンボウフウの抽出物を作用させたときの血管弛緩率を測定しました。その結果、ボタンボウフウのエタノール抽出物が強い血管拡張作用を示すことが明らかになりました。 さらに、活性成分を単離して構造を解析したところ、ボタンボウフウに豊富に含まれるクマリン化合物のイソサミジンであることがわかりました。

イソサミジンの血管拡張作用は、血管内皮細胞を除去した動脈標本を用いた場合には作用が弱くなりました。また、一酸化窒素合成酵素阻害剤であるN-ニトロアルギニンメチルエステル(L-NAME)を作用させた場合にも、イソサミジンの作用は抑制されました。これらのことから、イソサミジンは内皮細胞から放出される一酸化窒素(NO)を介して血管を拡張させると考えられました。

第26回和漢医薬学会学術大会 (2009) (タカラバイオ発表)

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